協会について

エスコフィエ協会設立の目的や沿革、役員構成、会長のご挨拶をご紹介をいたします。

会長挨拶

会員に寄り添いエスコフィエの精神と先人の功績を未来へ引き継ぐ

善養寺 明
一般社団法人 日本エスコフィエ協会 会長善養寺 明 (株)ホテルオークラ 顧問
(株)オークラ ニッコー ホテルマネジメント 調理顧問

2024年6月10日付けで一般社団法人日本エスコフィエ協会、8代会長に就任致しました善養寺明と申します。
日本エスコフィエ協会は1971年、私の師であります初代会長、小野正吉を中心に25名で立ち上げた歴史と伝統ある会であります。この度は会長という私にとってこの上ない役職を頂き、大変光栄に思うと共に責任の重大さを感じております。小野正吉の弟子の一人として与えられた職をしっかりと守り抜く覚悟でございます。
今年来日されたニコラ・サル国際会長のお話にもありました通り、国際エスコフィエ協会は今年で70周年を迎え、世界37カ国1万人の会員を擁し、約50の支部を有する世界有数の料理協会です。その中でも日本支部は、フランスに次ぐ2番目に大きな支部となっております。この様な大組織の中の一人として今まで以上に自分を誡め、そして胸を張って協会の活動に取り組む気持ちを強く感じております。
就任にあたり僭越ではございますが私の協会に対する考えを述べさせていただきます。
53年前の発足時と同様、オーギュスト・エスコフィエの精神をしっかりと守ってまいります。設立当初から協会が目指して来ました若手料理人の育成、近代フランス料理の継承と発展、そして料理人による社会貢献活動、この3つを柱とし時代に沿った協会を目指してまいります。今我々を取り巻く飲食業界は世界を震撼させたコロナ以来、人手、人材不足と非常に厳しい状況にあります。将来を夢見る若者達が憧れる存在として、会員の一人一人がエスコフィエの精神をしっかり守り、若い世代の模範となる事が業界の発展にも繋がると感じます。

さらに会員同士で支え合える様な仕組みの構築も考えて行きたいと思っております。
協会の活動の中にヤングシェフコンクールが有ります。国際エスコフィエ協会は2年に一度、各ゾーンから代表者を募りフランスで決勝戦が行われます。調理とサーヴィスが一体化した唯一無二のコンクールであり、今年も11月に日本代表として帝国ホテルの荒木真鈴氏が渡仏しますが、未だ日本から優勝者が出ておらず大変期待される処です。協会からもしっかりと準備とサポートをして行きたいと思っております。
最近の食に目を向けますと「一食完結型」というスタイル、私にはあまり聞きなれない言葉でしたが、若者の間で、また時間に追われる忙しいサラリーマンの間でブームとなりつつあります。世界的な物価高も進行し、安定した低価格で提供される食品を短時間で摂取したい方と逆に食事に時間をかけて高単価で楽しむと言う二極化がさらに進んでいる様に思われます。
これも時代の変化と受け止め、業界にかかわる我々は伝統を重んじながら現代社会への対応策を常に考え進める必要があると感じております。この先、私の役目として諸先輩方や歴代会長の残した功績をしっかりと受け継ぎそして守り、皆様の協力をいただきながら会員の一人一人と寄り添えるエスコフィエ協会を目指してまいります。
甚だ簡単ではございますが就任の挨拶とさせていただきます。

設立の目的

日本エスコフィエ協会は初代会長・故小野正吉(ホテルオークラ総料理長)が中心となり、日本の現代フランス料理の草分けともいえる25人の料理長が集まり1971年に創設されました。
近代フランス料理の祖オーギュスト・エスコフィエの弟子たちにより”エスコフィエが確立した近代料理術と伝統の継承と発展、調理技術の再教育などを目的としてフランスで設立されたエスコフィエ協会”の精神を基に2012年4月に内閣府から一般社団法人として認可を受け、現在では8代目の善養寺 明会長(ホテルオークラ 顧問 オークラ ニッコー ホテルマネジメント 調理顧問)のもと約1,200名の会員の所属する協会として幅広い活動を行っています。

歴代会長

  • 小野 正吉
    初代会長
    故 小野 正吉
  • 村上 信夫
    第2代会長
    故 村上 信夫
  • 古谷 春雄
    第3代会長
    故 古谷 春雄
  • 劔持 恒男
    第4代会長
    故 劔持 恒男
  • 浅野 和夫
    第5代会長
    浅野 和夫
  • 大庭 厳
    第6代会長
    故 大庭 厳
  • 福田 順彦
    第7代会長
    福田 順彦
協会の使命
2002年に、特定非営利活動法人として認可を受けた直後の年頭のあいさつで、村上信夫名誉会長は会の運営方針として”フランス料理の普及と発展を目指す活動”、”フランス料理の料理人のための活動”、”料理長による社会貢献”を3つの柱として掲げています。
エスコフィエは『ル・ギッド・キュリネール』の序文で「料理は時代によって変わるものだ。この本はこの時代の参考書にすぎない」と述べています。この理念に従いフランス料理の基礎的技術や伝統を後世に伝え、料理及び料理人の水準の向上と発展に寄与するとともに料理を通じた幅広い社会貢献を目指し、その活動を行っていくことが、エスコフィエ協会の大きな使命であると考えています。
技術を伝える
エスコフィエ協会が主催している事業のひとつにヤングシェフコンクールがあります。若き料理人育成の一環として国際エスコフィエ協会は2年に一度、世界の各ゾーンから代表者を募りフランスにおいて決勝戦が行われます。エスコフィエ協会独自の調理とサーヴィスが一体化した唯一無二のコンクールと言えると思います。
そんな中、日本支部は国際エスコフィエ協会より一つの枠をいただいておりフランス大会の前年に国内において予選、決勝戦を開催し日本代表選考会が行われます。将来を夢見る25歳未満の若き料理人の皆様のたくさんの参加をお待ちしております。

オーギュスト・ エスコフィエについて

Augusta Escoffier

日本エスコフィエ協会の名は、19~20世紀、世界の文化の中心だったパリ、ロンドンで大活躍した料理長オーギュスト・エスコフィエ(以下、エスコフィエと表記)に因んで名づけられました。エスコフィエは1846年、ニース郊外の小村、ヴィルヌーヴ・ルーベ(Villeneuve-Loubet)に生まれ、数々の料理修行の後、モンテ・カルロのグラントテル、ロンドンのサヴォイホテル、カールトンホテルの料理長を歴任し、1898年、パリのヴァンドーム広場にあるオテル・リッツの料理長を務めました。その間オテル・リッツの創始者セザール・リッツとのコンビでこれら豪華ホテルのレストランをホテルと同格の超一級レベルにすると同時に、調理を合理化、近代化し、当時まだ過酷な職業であった料理人の負担を少なくし、文化を担い尊敬される職業とするためにその健康管理、知識の習得面からも指導し、料理人の社会的な地位向上を果しました。

エスコフィエはもちろん料理人としての活躍も目覚しく、今でもデザートに登場する「ピーチ・メルバ」、蛙の腿を妖精の足にみたてた「妖精オーロラ風」などの創作料理や、ソース・シャスール、ソース・ディアーブル、ソース・グラン・ヴヌール、ソース・ロベールなどのフランス料理の基本であるソース類を軽く仕上げることにより時代にあったものに改良しています。

1903年にはフランス料理のバイブルとも言える「ル・ギッド・キュリネール」を刊行。この書には、5000以上の伝統の料理のルセット(=レシピ)が掲載されており、現代においても基本の確認のためにプロの料理人が手放すことのできないものとなっています。その序文では「料理の質を落とすことなく、料理の簡素化を究極まで推し進めることが料理人のなすべきことである」「料理は時代とともに変わっていくべきである」と言い遺しています。その他にも1912年「メニューの本」、1934年「私の料理」など多くの書物を残しています。
エスコフィエは1935年に隠退生活をしていたモンテ・カルロで亡くなりましたが、それまでにフランスの料理文化を世界に広めた功績でレジオンドヌール勲章を2度に渡り授与され「料理の大使」として多くの人々の賞賛を受けました。

エスコフィエ協会国際本部

フランス料理の発展とエスコフィエ

  • 1896

    リッツとエスコフィエ、ロンドンにカールトン・ホテル開業
    エスコフィエ、ペーシュ・メルバ考案
    サリー・ワイル生まれる

  • 1898

    パリ、オテル・リッツ開業
    エスコフィエ、シェフとなる

  • 1902

    エスコフィエ著『ル・ギード・キュリネール』刊行
    ユルバン・デュボワ死去(1818~)

  • 1914

    第一次世界大戦勃発(~1918)
    カナダ人による冷凍法開発

  • 1919

    エスコフィエ、レジヨン・ドノール・シュバリエ勲章受賞

  • 1927

    横浜、ホテル・ニューグランド開業に伴い、サリー・ワイル来日

  • 1928

    エスコフィエ、レジヨン・ドヌール・オフィシエ勲章受賞

  • 1935

    エスコフィエ死去。日華事変
    イギリス、初の冷凍食品実用化

  • 1938

    プロスペル・モンタニェ編集『ラルース・ガストロノミーク』初版発刊

沿革

※この映像は2006年、一般社団法人化以前に制作されました。

日本エスコフィエ協会の歴史が動画でご覧になれます。
再生ボタンを押してご覧下さい。

  • 1971

    エスコフィエ協会日本支部発足
    初代会長・故小野正吉 元ホテルオークラ総料理長により設立される

  • 1978

    エスコフィエ協会日本支部による、フランスへの料理視察旅行

  • 1980

    エスコフィエ協会日本支部結成10周年記念(於・ホテルオークラ)

  • 1981

    エスコフィエ協会日本支部による日米加親善とフランス料理技術視察旅行

  • 1984

    山本直文料理関連蔵書、エスコフィエ協会へ寄贈(山本文庫創設)
    三井倶楽部にてエスコフィエを偲ぶ会料理フェア開催

  • 1985

    『エスコフィエの料理600』全5巻発刊

  • 1990

    エスコフィエ協会日本支部結成20周年記念(於・ホテルオークラ)

  • 1991

    エスコフィエ協会日本支部による、フランス料理視察旅行

  • 1997

    村上会長就任
    小野正吉蔵書エスコフィエ協会日本支部へ寄贈(小野文庫創設)
    『新西洋料理体系』第5巻発刊

  • 2002

    任意団体からNPO法人となる

  • 2003

    古谷会長就任

  • 2005

    フランス料理技術教本「エスコフィエの技・現代の術」を編纂
    劔持会長就任

  • 2006

    10月28日エスコフィエ生誕160周年記念晩餐会開催

  • 2007

    NPO法人を解散し社団法人を設立

  • 2008

    浅野会長就任

  • 2012

    社団法人を解散し一般社団法人を設立

  • 2013

    大庭会長就任

  • 2017

    福田会長就任

  • 2024

    善養寺会長就任

役員構成

名誉会長
福田 順彦

(株)東急ホテルズ 専務執行役員 総料理長
(株)セルリアンタワー東急ホテル 総料理長

理事・監事

会 長
善養寺 明

(株)ホテルオークラ 顧問
(株)オークラ ニッコー ホテルマネジメント 調理顧問

筆頭副会長
上柿元 勝

(株)オフィス・カミーユ 代表取締役

副会長
市川 博史

(株)京王プラザホテル 名誉総料理長

伊藤 文彰

(株)円居 代表取締役社長

太田 高広

(株)ニュー・オータニ 執行役員 副総料理長 兼 調理部長

太田 昌利

(株)ロイヤルホテル 常務執行役員
リーガロイヤルホテルグループ 統括総料理長
リーガロイヤルホテル(大阪) 総料理長

佐藤 伸二

(株)ジェイアール西日本ホテル開発
大阪ステーションホテル 常務取締役 総支配人

事務局長
曽我部 俊典

東急ホテルズ&リゾーツ株式会社 常務執行役員
ザ・キャピトルホテル東急 副総支配人 兼 総料理長

理 事
池内 渉

(株)ときわ 取締役 統括総料理長

池田 順之

(株)ホテルオークラ東京 上席執行役員 洋食調理総料理長

伊藤 博之

札幌グランドホテル 総料理長

柏木 健一

(株)ジェイアール西日本ホテル開発
ホテルグランヴィア京都 執行役員 調理部部長・総料理長

小石 幸一郎

学校法人 北川学園 金沢製菓調理専門学校 教頭

斉藤 哲二

(株)東京會舘 取締役 調理本部長 兼 本舘総調理長

坂本 憲治

(株)福岡サンパレスホテル&ホール 総料理長

佐々木 康二

プレスキル 料理長

佐野 文彦

(株)西武・プリンスホテルズワールドワイド 箱根地区 総料理長

鈴木 房雄

金沢東急ホテル 料理長

髙橋 義幸

(株)帝国ホテル 執行役員 大阪料理長 調理部長

高良 康之

ラフィナージュ 料理長

中宇祢 満也

ホテルインターコンチネンタル東京ベイ 総料理長

能勢 洋

(株)明治記念館C&S 洋食部 総料理長

󠄀
早坂 敏夫

(株)名鉄ホテルホールディングス 名鉄ホテルグループ 統括総料理長

若林 知人

辻󠄀調理師専門学校 教育部長 西洋料理 教授

渡邉 隆

仙台ターミナルビル(株)ホテル事業本部 商品開発部長
調理マーケティングアドバイザー

監 事
古川 瑞雄

調理製菓専門学校 アドバイザー

吉田 信一郎

エーキューブステーション 代表 税理士

ご入会について

日本エスコフィエ協会の会員は、フランス料理の普及と発展を目指し、
フランス料理を通じた幅広い社会貢献を目指す個人・団体です。

会員の区分

  • 正会員
    (アミ会員・ディシプル会員)

    フランス料理に関する技術・学識・経験を持つ料理人

    アミ会員
    入会条件 フランス料理歴10年以上、年齢30歳以上
    ※入会にはディシプル会員1名の推薦を必要としております。
    ディシプル会員
    アミ会員の中から下記条件を満たした方が昇格した会員区分 アミ会員からの昇格条件
    • 年齢35歳以上
    • 総会時(6月末日)にアミ会員歴2年以上
    • 年会費の期日までの納入
    • 総会・晩餐会への出欠返事(欠席の場合でも総会の委任状の提出が必要)
    • 総会と同日に行われる昇格授与式(エシャルプ・ディプロム・写真代含む費用30,000円)の本人参加
    賛助会員
    協会の趣旨に賛同し、活動に参加・協力する個人及び団体(企業・調理師専門学校など)をビヤンフェトゥール(厚志協力者)として歓迎しております。
    ※入会にはディシプル会員1名の推薦を必要としております。
    無料登録会員
    協会の趣旨に賛同いただける若き料理人達を中心とした会員制度。
    ※推薦は不要で当サイトからご登録できます。
    ご登録はこちら

会員特典

ディプロム、エンブレム(正会員のみ)、エシャルプ(正会員はディシプル昇格時)が授与されます。

ディシプル会員用エシャルプ
ディシプル会員用エシャルプ
アミ会員用エンブレム
アミ会員用エンブレム
賛助会員用エシャルプ
賛助会員用エシャルプ
  • 総会・晩餐会への出席

    正会員・賛助会員は、年に1度の総会・講演会に出席できます。
    さらに、会員同士の交流を深めるために開催される晩餐会に参加できます。

  • 会報、表彰、イベントへの参加

    協会の活動などをお知らせする会報「エスコフィエ通信」(年4回発行)が定期的に届きます。
    その他、協会の行う事業・催しに優先的に参加できます。
    調理師専門学校には、毎年、優秀な生徒に賞状(ディプロム)を授与する制度があります。

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