フランス料理の料理人のための活動

料理人のスキルアップと地位向上のため、勉強会、コンクールなどを行っています。

第10回
「第10回 エスコフィエ・フランス料理コンクール」結果発表

上位3名の決勝課題作品と準決勝作品

決勝作品
優勝 真野 大貴氏の作品

優勝 真野 大貴氏の作品

私が帝国ホテルを知り、入社するきっかけとなったのは、帝国ホテル初代総料理長を務めた村上信夫ムッシュです。生前エスコフィエ協会の会長を務めておりましたので、この名誉ある大会で優勝することができ大変光栄に思います。本大会では、職場の上司、同僚、家族など多くの方々の支えがあり、日頃の成果を発揮することができました。今一度初心にかえり、料理の楽しさや、学ぶ姿勢を忘れずに日々の仕事に取り組んでいきます。

優勝 真野 大貴氏の作品
優勝 真野 大貴氏の作品
準決勝作品

Filet de bœuf en croûte à la. moutarde.
chou farci aux champignons.
rouleau de courgette jaune.
galette acidulée de pommes de terre.
sauce au vin rouge
マスタード風味のデュクセルを詰めたフィレ肉のパイ包み焼き、マッシュルームを包み込んだシューファルシ、黄ズッキーニのルーロー、酸味のあるジャガイモのガレット、赤ワインソース フィレ肉を伝統的なパイ包みで仕上げました。マスタードを効かせたデュクセル、フォアグラ、豚背脂を使用しUSの赤身をしっとりと仕上げるよう、そして見た目を綺麗に工夫しました。シューファルシはマッシュルームを丸ごと一つとフィレ肉のファルスを一つ一つ包んでフォンでブレゼしています。他二つのガルニチュールはメイン、そしてシューファルシと相性がよく、バランスを補ってくれるものを考えました。

決勝作品
第2位 浦崎 洸佑氏の作品

第2位 浦崎 洸佑氏の作品

今回の課題は全体的に細かい作業が必要で、とにかくおいしい料理を作るということを心掛け、練習してきました。特にソースモルネーに苦戦しましたが、『ル・ギッド・キュリネール』を基本とし、これまで培ってきたもの、そして上司や同僚の指導のおかげで完成度を高めることができました。二位という悔しい結果でしたが、とても多くのことを学ぶ機会になり、この経験を次に活かせるよう、今一度初心に立ちかえり精進してまいります。

第2位 浦崎 洸佑氏の作品
第2位 浦崎 洸佑氏の作品
準決勝作品

Filet de Bœuf assaisonné aux feuilles de cerisier cuit en croûte de sel et malt,
sauce vin rouge chou farci,
pomme dauphine au thym,
flan de foie gras et salade de navets
桜の葉で芳香をつけた牛フィレ肉のモルト塩釜焼き、桜とウイスキーでアクセントをつけた赤ワインソース、シューファルシのブレゼ、インカのめざめのドフィーヌタイムの香り、フォアグラのフランにほんのり酸味のある蕪サラダ ソースに心地よい芳香のAMAHAGAN山桜を使用し、桜樽のウッディな香りとモルト感、桜でバランスを良く上品にし、風味豊かなテイストに仕上げた牛フィレ肉のモルト塩釜焼きの一皿です。

決勝作品
第3位 小西 啓史氏の作品

第3位 小西 啓史氏の作品

前々回エントリーした第8回では書類選考で落ちていたため、私にとって雲の上の存在であるこのコンクールでこのような結果を残せたことを光栄に思います。決勝課題では今までやったことの無いピケ(piquer)という技法に戸惑い、ガルニチュール1つ、タルトレット1つにしても本当にこのやり方がおいしいのか?効率的か?と自問自答を繰り返し完成に至りました。今後も料理人として日々精進し、またチャレンジしたいと思います。

第3位 小西 啓史氏の作品
第3位 小西 啓史氏の作品
準決勝作品

Filet de bœuf en croût de brioche accompagné de chou farci à la sauce porto 牛フィレ肉のブリオッシュ包み焼きにシューファルスを添えて ソースポルト ブリオッシュで間接的な優しい火入れを目指しました。牛肉やブリオッシュ、フォアグラと相性の良いソースポルトを選び、付け合わせのシューファルスにはリドヴォーと椎茸を詰め、切った面が見栄るようにしました。

入賞者5名(50音順)

※準決勝の料理名は、フランス語表記の正確性なども含めて審査対象となるため、参加選手のルセットに従って掲載しています。

審査員長総評

今コンクールを戦いぬいた選手たちと
協会の未来に期待
田中 健一郎 氏(帝国ホテル東京 前特別料理顧問)
新型コロナウイルスのために延期されていた第10回エスコフィエ・フランス料理コンクールが4年ぶりに開催されたことを心から嬉しく思います。名立たる料理長の方々による厳正な審査を通過し、この晴れの決勝舞台に8名が残りました。ご臨席いただいた来賓の皆様、協賛企業様、エスコフィエ協会福田会長並びに堀田大会実行委員長、実行委員の皆様、東西予選、決勝に会場をご提供いただきました調理師学校様を始めお力添えいただいた皆々様に深く御礼申し上げます。課題は鶏をファルス・ムスリーヌで形を整えて仕上げるプーラルド・アレクサンドラという非常に繊細で難しい料理ですが、難関を突破してきた皆様の作品は本当に素晴らしい出来でした。
私は審査委員長ではありますが、所属ホテルの選手が準決勝・決勝に進出しましたため、大会規約に則り審査には関わらず、試食のみ参加させていただきました。当然順位はつきますが、各選手にそれほど差があるわけではありません。コンクールのために、自身が選んだ仕事であるフランス料理のために、長い、厳しい戦いを頑張りぬいた選手の皆様に心から拍手を贈りたいと思います。これからも協会の発展とともにこのエスコフィエ・フランス料理コンクールが末永く続きますように、ここから巣立っていく若き料理人の皆様がどんどん活躍しますよう心からお祈りしまして私のご挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。

表彰式(明治記念館に於いて)

  • 大会副会長大溝名誉理事による開会の辞
    大会副会長大溝名誉理事による開会の辞
  • 堀田氏による大会実行委員長挨拶
    堀田氏による大会実行委員長挨拶
  • 田中大会審査委員長による結果発表
    田中大会審査委員長による結果発表
  • 審査員紹介
    ▲審査員紹介
  • ディプロム授与
    ディプロム授与
  • 特別賞授与挨拶

    文部科学省 榎木奨悟様 文部科学大臣賞授与
    文部科学省 榎木奨悟様 文部科学大臣賞授与
  • 特別賞授与挨拶

    福田会長 挨拶
    福田会長 挨拶
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