フランス料理の料理人のための活動

料理人のスキルアップと地位向上のため、勉強会、コンクール、料理フランス語通信講座などを行っています。

第9回
「第9回 エスコフィエ・フランス料理コンクール」結果発表

上位3名の決勝課題作品と準決勝作品

入賞者5名(50音順)

※準決勝の料理名は、フランス語表記の正確性なども含めて審査対象となるため、参加選手のルセットに従って掲載しています。

第9回コンクール全体講評

  • 決勝・東日本準決勝 試食審査

    「火入れ」の正確さが勝敗の決め手

    審査副委員長  中村 善二氏 東武ホテルマネジメント取締役統括総料理長

    決勝に残った方は皆様技術が高く、盛付、味、調理、調味、味の決め方、エッジがしっかりして、どれをとっても素晴らしい仕上がりでした。比較的シンプルであるためにごまかしの利かない題材でもありました。結果は僅差でしたが、最大の決め手はフィレ肉もガルニチュールも正確な火の入り方ができているかどうかだったと思います。たんぱく質は熱で変化していくので、それをどこで止めるのか。また、ソースも熱々の時と冷めたときでは濃度や香り、艶が違ってきます。
    口に入るタイミングを計り、これらをどう読むかで味の印象は変わります。決勝では、最初に堀田ムッシュから丁寧な説明がありましたが、盛り付け、パセリの扱いなどで間違いをした方があったのは残念でした。また、アーティチョークの下ごしらえなどで粗さが目立ったり、色よく仕上げられないなど小さな点で差が見えたところもありました。ルセットの書き方、各ホテル・レストランでのトレーニングや指導、日頃の業務への取組方などが総合的に結果を左右していると感じます。結果だけでなくコンクール参加の経験から得られるものをトータルに各営業所で活かしていただければと思います。

    中村 善二氏
    審査副委員長  中村 善二氏 東武ホテルマネジメント
    取締役統括総料理長
  • 東日本準決勝 試食審査

    伝統を重んじつつ進化している

    池田 順之氏 ホテルオークラ東京 執行役員 洋食調理 総料理長

    今回審査させていただき先ず気が付いたのは、やはりエスコフィエのコンクールだけあって、皆伝統料理の基本はしっかり身に付けてきているという事と、時代の流れにそった工夫がされている事です。使用する食材にしても非常に良く考えている様に感じました。調理においても練習に練習を重ね、自然と身に付いたものです。それを普段と違うキッチンでしっかりと作り上げた事は素晴らしいと思いました。やはり私たちの仕事は日々の積み重ねだと痛感しました。残念ながら決勝に進出できなかった方も決して無駄にはならないと思います。今回のコンクールに参加した事をぜひ今後に役立てて欲しいと思います。

    池田 順之氏
  • 西日本準決勝 試食審査

    上位入賞は「美味しさ」とともに

    佐々木 裕之氏 ホテルグランヴィア大阪 調理部長 総料理長

    今回準決勝に選ばれた8名の作品の試食審査をさせていただいて、盛り付けでの第一印象は「バランスが良く、非常に美しい」事です。テーマ「鯛のファルシ」はパイやムース等で丁寧に包まれていて創意工夫が見られ、美味しく感じられましたし、3種類のガルニチュールも非常に手が込んでいて美しく、皆さんのレベルの高さに感心させられました。ただ試食してみると鯛の加熱が不十分であったり、ガルニチュールは水っぽく、ソースにはアルコール臭が残っていたりで、見た目以上に美味しく感じる料理が少なかった事が残念でした。私は見た目より、味付け・温度・香りの良いエッジの効いた「美味しい」作品を高く評価させていただきました。

    佐々木 裕之氏
  • 予選・東日本準決勝 実技審査

    味がイメージできるルセットを評価

    大野 文彦氏 服部栄養専門学校 西洋料理次席教授

    ガルニチュール、メインディッシュ、ソースと順序立ててわかりやすく書かれたもの、また味をイメージできるように書かれ、ルセットを読んでおいしそうに感じられたものが評価されました。営業所単位でルセットの書き方を工夫されているなと感じるものもありました。東日本準決勝実技ではどなたも遅延なく完成し、初めての厨房でも手際よく作業できていたので、条件の異なる設備でも対応できるよう練習を積んで臨まれたことを感じました。手洗い、手袋装着、包丁をまな板に置かないなど衛生面の配慮が行き届いてる方とそうでない方があり、そうした点も評価対象になることも覚えておいていただきたいと思います。

    大野 文彦氏

第9回コンクール決勝課題について

今回の出題に関して 伊藤 文彰 氏(ルヴェ ソン ヴェール東京 代表取締役)
毎回、ル・ギッド・キュリネールからの出題がこのコンクールの特徴となっております。
前々回と同じ牛フィレ肉が課題となりましたが、今回はフィレ・ドゥ・ブッフ・シャトレーヌ(城主の奥方の意)を選びました。
この課題は、エスコフィエが指示しているとおり、牛フィレ肉に背脂をピケするところから始まります。そして古典的な方法でのポワレを的確に行わなければなりません。2通りのルセットがあるソーススービーズでは、米を使う方の作り方が指定されました。ピケやポワレに関しては、第17回(2015年開催)の勉強会でテーマになり、実はYOU TUBEで動画もアップされています。 これらは普段の仕事ではあまり行われない手法を勉強し、実践することがこの課題の出題意図として非常に重要であることは言うまでもありません。更に、ガルニチュールではアルティショ―の的確な処理、身割れしないように軟らかく煮る栗のエチュベなどの技術も試されました。
個人的な印象としては、このガルニチュールの出来栄えにも、選手によって随分差があったように思います。
今の時代と課題のルセットが書かれた時代では材料も違いますし、時代の求める嗜好も違うのではないかと思います。コンクール決勝当日はルセットにはない、砂糖や、分量より多めのマデラ酒なども用意されました。これらの材料を臨機応変に上手く使いこなして、自分のイメージ通りの料理に仕上げる事が出来るか、またそれが普段の業務での取り組みや経験を試される事に他なりません。
選手の皆さまは当日まで発表されない課題に対して、随分気をもまれたことと思いますが、一生懸命取り組んでいただいたお蔭で、本当に素晴らしい作品ばかりだったと思います。
また私自身もこのコンクールを通じて多くのことを学ばせていただきました。
皆様、本当にお疲れ様でした。

第9回コンクール予選・準決勝課題について

エスコフィエ料理の原点を見直す機会として 堀田 大 氏(マンジュトゥー 代表取締役)
1世紀余り前にオーギュスト・エスコフィエがそれまでのフランス料理の技術に革命を起こし、それを集大成したものが現代に引き継がれています。エスコフィエは、料理は時代とともに変わるべきであるとも言い、新たな食材の活用やお客様のニーズの変化に対応した料理を提唱しています。
「第9回エスコフィエ・フランス料理コンクール」の予選及び準決勝の料理の主食材は真鯛2尾を各2枚のフィレにし各々詰め物をし、2個のブロックにします。
鯛が主役で、脇役の副素材が役目を果たしています。
鯛がさらに美味しく食べられる詰め物、ソース、付け合せ、そして調理方法が生かされている料理を期待しました。「料理は時代とともに変わるべき」を誤解しているような料理を多く感じます。主客転倒、主食材が増量食材、何を食べているのか分からない組み合わせの料理が多くみられます。
1,2kgの鯛2尾で8人分。主役だけでかなりのボリュームが有り、少ない詰め物で無ければ8人では食べきれない量になります。シンプルに適量になる料理を期待しました。エスコフィエ料理の原点を見直す機会にしたい課題料理を提案しました。

表彰式(明治記念館に於いて)

  • 福田大会会長の開会の辞
    福田大会会長の開会の辞
  • 堀田実行委員長による挨拶
    堀田実行委員長による挨拶
  • 結果を発表する中村審査副委員長
    結果を発表する中村審査副委員長
  • 福田大会会長よりディプロムの授与
    福田大会会長よりディプロムの授与
  • ご協賛企業の皆様
    ▲ご協賛企業の皆様
  • 上位3名の方々
    上位3名の方々
  • 優勝者の坂本 真言氏
    優勝者の坂本 真言氏
  • 特別賞授与挨拶

    文部科学省 野角豪様賞状授与
    文部科学省 野角豪様賞状授与
  • 特別賞授与挨拶

    Sopexa Japon シャルル・デュラン様
    Sopexa Japon シャルル・デュラン様
page top