フランス料理の発展・普及を目指す活動

フランス料理の発展・普及のため、料理講習会や貴重な料理書・資料の収集保存を始め、様々な活動を行っています。

第8回
現代フランス料理講習会

第8回 現代フランス料理講習会を終えて

担当理事 若林 知人 氏 
辻󠄀調理師専門学校 教育部長 西洋料理 教授

学生からプロまで約100名が参加

令和6年10月21日(月)、日本エスコフィエ協会主催の『第8回現代フランス料理講習会』が大阪のDaigasグループ・ハグミュージアムにて開催されました。講師にはレストラン「ラフィナージュ」オーナーシェフであり日本エスコフィエ協会理事も務める高良康之シェフをお迎えし、「ソースと火入れ」をテーマにした3品の料理デモンストレーションと試食が行われました。大阪での開催は8年ぶりで、日本エスコフィエ協会会員やホテル・レストラン業の料理人に加え、今回から調理師養成施設の学生にも声をかけたところ、約100名が参加し、盛大な講習会となりました。
この現代フランス料理講習会は2015年に大阪で始まり、以来、日本各地で日本エスコフィエ協会会員が講師として全国の会場で開催しています。講師がその地域の食材を活かしてフランス料理を披露し、料理に対する哲学や調理技術、豊富な経験談を語る内容で、日本でのフランス料理の普及と料理人の育成に寄与してきました。コロナ禍により一時中断していましたが、感染が収束し、参加者の熱意に応える形で本年より再開となりました。
講師の高良シェフは、ホテルメトロポリタンでの勤務を経て1989年に渡仏し、「ラミロテ」「オーベルジュ・ブレッサン」「ラ・プティット・クール」「オンブルモン」「パン・アデュール・エ・ファンタジ」などで研鑽を積んで帰国。「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ」「南部亭」「ブラッスリー・レカン」「銀座レカン」など名店で活躍し、2018年には自身の店「ラフィナージュ」を開店しました。2020年よりミシュラン東京で5年連続で1ツ星を獲得し、フランス料理の有識者団体「クラブアトラス」会長も務め、2023年には日本エスコフィエ協会理事に就任。料理講習会を通じて精力的に活動しています。

哲学・科学的視点からの講義

今回のデモンストレーションでは、料理テーマ「ソースと火入れ」に沿って「オーラキングサーモンのポワレ、ヴェルジュソース」「蝦夷鹿のロースト、ポワヴラードソース」「アメリカ産仔羊背肉のロースト、フルムダンヴェールソース」の3品が披露されました。高良シェフは、フランス滞在時の経験をもとに、料理哲学と科学的視点から各作業について詳細に説明し、基本的な出汁を汎用性の高いものに仕上げる考え方や、冷蔵庫から出したばかりの肉の焼き方、魚の下味の塩加減など、独自の調理法についても紹介しました。
さらに、シェフのレシピも多く披露され、質疑応答では大勢の質問に丁寧に答え、参加者の関心の高さがうかがえました。講習会終了後には、高良シェフとの記念撮影を希望する方の長い列ができ、盛況のうちに幕を閉じました。最後に、今回の講習会にご協力いただいたDaigasグループ様、米国食肉輸出連合会、オーラキングサーモン社様、株式会社タカナシ乳業様には、心より御礼申し上げます。

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