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2024年度 一般社団法人 日本エスコフィエ協会
ディシプル章授与式・総会・晩餐会
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総会
一般社団法人日本エスコフィエ協会の2024年度ディシプル章授与式・総会・晩餐会が6月10日(月)セルリアンタワー東急ホテルにて開催されました。ニコラ・サル国際会長が来日し、多くの出席者を得て盛会となりました。
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「ボールルーム」にて午後3時45分より開会され、福田会長による会員への感謝の言葉に続いて開会宣言がありました。議長指名を受けた池田理事が定款第17条により、総会成立を確認し、議事録署名人として太田高広理事、太田昌利理事が指名・承認されました。
現会員数 1,198名 内訳 議決参加正会員 620名 本人出席 130名 書面表決および委任状提出者 1,068名
議案審議事項



- 【第1号議案】
新役員選任(議長) -
善養寺副会長の会長就任、および伊藤理事、太田高広理事、太田昌利理事の副会長就任と4名の新理事就任、福田会長の名誉会長就任などが諮られ、満場承認可決した。
池田 理事 中宇祢 理事 - 【第2号議案】
新組織図/新地区委員 -
新組織図および新地区委員、地域活動推進がエピキュロス晩餐会となることなどが諮られ、満場承認可決した。
能勢 事務局長 吉田 監事 - 【第3号議案】
2023年度事業報告 -
「2023年度事業報告書」をもとに説明、その是非を諮り、満場承認可決した。
曽我部 理事 伊藤 理事 - 【第4号議案】
2023年度収支報告・監査報告 -
財務担当の伊藤理事より議案書「2023年度収支報告書」をもとに説明、その是非を諮り、満場承認可決した。続いて吉田監事より議案書「監査報告書」をもとに2023年度の会計および業務の監査を報告、その是非を諮り、満場承認可決した。
- 【第5号議案】
2024年度事業計画案 -
議案書「2024年度事業計画案」をもとに説明、その可否を諮り、満場承認可決した。
- 【第6号議案】
2024年度収支予算案 -
議案書「2024年度収支予算案」をもとに説明、その可否を諮り、満場承認可決した。
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各議案書の詳細は下記よりダウンロードしてください



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講演会
オーギュスト・エスコフィエ国際会議と日本協会の連携、その未来について
国際会長
ニコラ・サル 氏
- ニコラ・サル国際会長 講演全文クリックしてプルダウンしてください
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エスコフィエ ディシプル ニコラ・サル国際会長スピーチ
日本エスコフィエ協会会長、
前会長、副会長、理事の皆様
親愛なるディシプル会員の皆様、親愛なるアミ会員の皆様この度、年次総会で皆様とご一緒できることは大きな喜びです。日本エスコフィエ協会結成50周年に合わせて2021年に来日する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症のため実現できませんでした。
国際会長が日本の年次総会に出席するのは今回が初めてとなり、皆様にお会いでき嬉しく思います。もう少し東京に滞在したかったのですが、ランジス市場への出店準備でスケジュールが非常にタイトなため、かないませんでした。
昨年、クリスチャン・ウリーヌ国際事務局長に依頼し、理事会の皆様と共に将来のあり方について協議をする場を設けてもらいました。さて、エスコフィエ協会は今年70周年を迎えます。
エスコフィエの薫陶を受けたシェフ、ジャン・デュクルーがニースでオーギュスト・エスコフィエ ディシプルの会を創設してから70年経ちます。創設した目的は、エスコフィエの価値観とフランスの美食を守ることでした。その後、協会はフランスで急速に発展し、貴国が加盟を希望されました。小野正吉シェフが日本支部を立ち上げ、初代会長に就任しました。
横浜にある洋食屋に生まれた小野シェフは、早くから西洋のガストロノミーに触れる一方で、日本の伝統的な厳しい教えを学びました。その後、国内でフランス料理を実践する日本人シェフの第一人者となりました。小野初代会長のご尽力のおかげで日本支部は著しい発展を遂げました。当然のこととして永世名誉会長に任命され、その功績がメゾン・オノ・ミュージアムで称えられています。エスコフィエ協会の価値観は、ディシプル間の分かち合い、若い世代への継承、そして恵まれない方々との連帯です。
協会の使命は70年間で大きく変容しました。フランス人シェフのみから構成されるニースの一協会が、今では、37カ国に1万人の会員を擁し、約50の支部を有する世界有数の料理協会となりました。支部がある国と同じ国籍を持っている会員は全体の40%です。
日本はフランスに次ぐ、2番目に大きい支部となります。2023年での会員数は1,198名でした。新型コロナウイルスの流行にも関わらず、以前の水準まで会員数を戻してくださったことに敬意を表します。
日本エスコフィエ協会のこれまでの歩みと会員数に敬意を表するために、日本エスコフィエ協会会長には、日本ゾーンの国際副会長と国際評議会のポストが付与されています。このような特権を持つのは日本以外ではフランスしかありません。ヨーロッパ、アフリカ及びインド洋、アジア及び太平洋、アメリカ大陸といった他の4つのゾーンでは、数カ国がまとめられています。会員数を考慮し、日本でもフランス同様の会費基準の導入が可能となり、2025年末の協議を経てからになりますが、3年間でフランスの会費基準まで到達することを、昨年受け入れてくださいました。皆様方の国際協会への会費ですが、他の支部が一人当たり年間25ユーロに対し、フランス同様、2026年に15ユーロとなる予定です。ご理解に感謝すると同時に、協会にとって全ての国で同じ基準が順守されることが重要であることを申し上げたいと思います。
オーギュスト・エスコフィエがガストロノミー界で輝き続け、その功績が若い世代の心に生き続けるよう、私たちは次の70年について考えなければなりません。
当時から先見の明があったエスコフィエは、キャリアを通して現代性と変革力を証明してきました。
未発表の回想録の中で、彼は次のように書いています。
「社会が変化をしていくのと同じように、料理も芸術的であり続けながら、時代とともに変わっていくべきである。その時代の習慣やしきたりに則った仕事の進め方を私たち自身で追求しなければならない。」
1912年「メニューの本」の序文では次のように述べています。
「将来、私たちの仕事を引き継ぐ者が現れるだろう。その者は、新しいニーズや今は思いもよらない必要性に合わせる形で、私たちの仕事を変えていくことであろう」
エスコフィエの教えに基づき、評議会と執行部は、新会員の期待に応えるべく、協会の変容に取り組んでいます。若手のディシプルたちは、協会のグローバルなネットワークを活用し、仕事やガストロノミーについて交流することを望んでいます。
世界で最も体系化され評価が高いのは、今でもフランスのガストロノミーです。しかし、各支部は、普遍的なフランス料理と「ル・ギッド・キュリネール」を基本としながらも、自国のガストロノミーの価値を高めたいとも考えています。
オーギュスト・エスコフィエが現代に生きていたとすれば、世界中の技術や食材を扱うフランス人有名シェフのように、さらにグローバルに活躍するシェフになっていたことでしょう。
「フランス料理の発展は、世界各地で働く何千人ものフランス人シェフによるところが大きい」とオーギュスト・エスコフィエは語っていました。現在は、皆様を始めとした多様な国籍を持つシェフによってフランスの美食は発展しています。この進化において、当協会は果たすべき役割があります。国際協会の役割は、5大陸に広がる50の支部を束ねることです。
国際協会では、皆様の活動の普及を目的に、グローバルな活動を立ち上げました。
- 2021年のオーギュスト・エスコフィエ生誕175周年には、世界で8000食以上が提供され、25万ユーロ以上が慈善団体に寄付されました。- フランス美食大使であり、フランス共和国大統領のガストロノミーと食に関する個人代表であるギョーム・ゴメス氏の要請を受け、昨年9月に開催されたフランス食文化フォーラムにおいて、オーギュスト・エスコフィエのコーナーを設けました。フランス内外の支部から70名のシェフが集まり、能勢洋事務局長が見事に貴国を代表してくださいました。駐仏日本大使閣下と会談を行い、当協会と日本エスコフィエ協会をご紹介いたしました。
-2024年11月13日から16日までパリで開催される国際会議の中で、当協会の70周年記念行事が行われます。11月14日の夕べは、外務省のケ・ドルセーのサロンで、エマニュエル・マクロン フランス共和国大統領の庇護の元で開催されます。
- 私たちは若き才能エスコフィエ・コンクールに取り組んでいます。2022年にニースで開催された国際会議以降、ガラ・イブニングを含め、候補者の滞在費、活動費、食費をすべて私たちが負担しています。
-ギョーム・ゴメスのおかげで、現在活動している国や今後進出したい国にあるフランス大使館との関係はますます深まっています。その支援もあり、最近デンマークとカザフスタンに支部を開設することができました。まもなくルクセンブルク、ベナン、キプロスにも開設する予定です。
- 執行部と評議会は、広報、会費、パートナーシップのテーマにも取り組み、支部から会員の皆様により多くの情報をお届けするためにウェブサイトの更新にも取り組んでいます。
ご存知のように、ディシプルはボランティアでこれらの活動を行っており、日本の皆様と同様に協会に貢献していることを誇りに思っています。
これから数年間、日本エスコフィエ協会と協力して事業に取り組む必要があります。
そのために、皆様との関係を刷新していきます。お互いを理解し合い、皆様のご質問にお答えするためには、ディシプルのシェフ、または、評議会のメンバーが年に1回訪日することが必要です。また、フランス、特にオーギュスト・エスコフィエ・ミュージアムの近くにオフィスがあるヴィルヌーヴ・ルーベに、いつでも喜んで皆様をお迎えしたいと思います。
2012年よりレジス・マルコン会長のもと、レストランマネージャーとソムリエには紫のエシャルプを、才能ある生産者には緑のエシャルプを授与しています。さらに、ヤング・エスコフィエ・タレント・コンクールの受賞者にはオレンジのエシャルプを授与しています。若いホープは、私たちの職業と協会の未来です。5年以上のキャリアを積むと、赤や紫のエシャルプになります。
エピキュリアンや美食家のために青のエシャルプが新たに作られました。これらのエシャルプは、パートナーやスポンサー、関係者に感謝の意を表すために贈られるものです。これは日本支部でも導入できる内容です。来年日本で大阪万博が開催されます。その際、在京フランス大使館との共同開催となる美食イベントへの参加をお勧めしたいと思います。
最後に申し上げたいことは、私たちの使命は先人たちの仕事を引き継ぐことであるということです。評議会メンバーも皆様方も全員通過者であり、いつかは新しい世代に道を譲らなければなりません。
日本においてオーギュスト・エスコフィエの遺産を守っていただき、ありがとうございます。
「一人ではより速く、皆ではより遠くへ」といういつもの言葉で締めくくりたいと思います。11月、パリでお会いしましょう。