活動内容

フランス料理勉強会

これからの世に伝えたい料理

2008年12月05日 於 リーガロイヤルホテル(大阪)

実行委員:柏木健一(ホテルグランヴィア大阪)
佐々田京(ホテルグランヴィア大阪)
久保康志(大阪新阪急ホテル)
中田淑一(辻調理師専門学校)

今回は、リーガロイヤルホテル料理特別顧問 米津春日氏(協会副会長)に講師をお願いし、「これからの世代に伝えていきたいフランス料理」をテーマにお話をうかがった。

米津氏は、Restaurantという言葉の起源から成り立ち、そしてオーギュスト・エスコフィエに至るまでのフランス料理の歴史的背景について解説。 そして料理人のバイブルと言われる、オーギュスト・エスコフィエの著書『Le Guide Culinaire (ル・ギード・キュリネール)』については、エスコフィエ自身が、単なる書物ではなく一個の道具たる事を希望した、と教えられた。 エスコフィエは、将来フランス料理界の先頭に立って活躍する料理人のために、料理の基礎を確立したいと考えたのだ。『Le Guide Culinaire』には5000種以上にもおよぶ料理が収められているが、これらが完全なものだという事ではない。 たとえ今の時代に完璧でも明日もそうだとは限らない、絶えず進歩発展があり、料理は時代とともに変化していくのだから、とエスコフィエは述べている。
米津氏は、大阪グランドホテル初代料理長であった常原久弥氏より伝承した料理が、いかに『Le Guide Culinaire』を実践したものであったかの説明、また「コンソメ」については和食の「吸い地」との対比などについての大切なポイントを述べられた。 また「プーラルドのポッシェ」についての質問に、「ル・ギード・キュリネール」のオブザべーション(注釈)の項を熟読し、各々の調理法についての正しい理解を深めて欲しいとの答えがあった。
近代調理器具を使用して、いかに古典料理を作ることが出来るか、「ソールのボーヌ・ファーム」など例をあげての説明などがあり、最後に「『Le Guide Culinaire』の料理を作りなさい。 実際に作って食べて舌で感じ、この勉強会の仲間を通じて料理を広めてほしい。」という言葉を米津氏からいただいた。
発足から変わらぬこの勉強会のテーマは≪古きをたずね新しきを知る≫である。私達実行委員は、今作っている料理の基をたどり、その技術と知識を次世代に継承していくという目的で活動している。 未来の料理人のために『Le Guide Culinaire』を残してくれた偉大なる先輩、エスコフィエの教えとともに、『Le Guide Culinaire』を一つずつ紐解いていくことの大切さを米津氏のお話を通してあらためて学んだ。

<米津春日氏から若い料理人へのメッセージ>
「ル・ギード・キュリネール」に述べられている調理の基本原理を学び、それを実現するにあたり、近代的調理機器を使用することも研究したい。 そして諸君と共に幅広いフランス料理の勉強会を続けたい。

★米津氏のホームページ“le musée de la cuisine française Japon Plaisir de la Table”
http://www.plaisirdelatable.jp/history/ およびメールマガジン(上記サイトより申込登録)で今後もフランス料理のさまざまな情報を発信予定。

オーギュスト・エスコフィエの言葉
  • 何よりもまず簡潔につくりなさい
  • 最高水準をめざす気高い望みを抱く職人なら、理論的な教育を身につけ、経験による教訓と個人的な考察によって次第に補っていくのが望ましい
  • 実際、ほんの少し手を加えるだけで、多くの調理法は一連の新しい料理を生み出すのである
  • つまり、新しい可能性を見極め、アイデアと創意に応じた実際の料理にとりかかるのには、料理人の頭がものをいう
  • よく構成されたメニューは、確固とした概念、すぐれた才能、そして料理法のあらゆる源泉に精通し、バランスのよくとれた精神をすぐに感じさせる
  • おいしい料理は真の幸福の基礎となる
当日の模様
当日の模様 前列左から
米津春日氏(協会副会長)
阪本和明氏(協会理事)
古川瑞雄氏(協会理事)
水野邦昭氏(協会理事)
当日の模様
米津春日氏
当日の模様
勉強会の様子
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